まずはここをチェック!離婚で家の売却を考えたら何を確認すべきか
離婚する際、養育費であったり、財産をどう分けていくかなど、さまざまな問題の解決や手続きが必要となってきます。今回紹介する家の売却も、その問題のひとつです。実際に離婚が理由で、家を売却するケースも多く存在しています。今回は、離婚で家を売却する際の確認事項や注意点などを解説していきましょう。
売却するなら離婚後!その理由とは
こちらでは、離婚が原因で家を売却したいと考えている方に、最適な売却タイミングについて解説していきます。売却のタイミングは個々の事情により異なりますが、離婚後に家を売却することをおすすめします。以下にその理由を紹介しますので、参考にしてみてください。
家を高く売れる可能性がある
離婚が成立した後は、多くの手続きが完了している場合がほとんどです。そのため、売却活動に集中することができます。時間をかけて家を売ることができれば、より高い価格での売却が可能性として高まるのです。家を少しでも高く売却したい方にとっては、離婚後に家を売却することが有利でしょう。
ただし、離婚後の売却では相手方とのやり取りが必要になるので、連絡を取り合うことに抵抗がないかが重要です。離婚後の売却は、連絡が取れなくなったりトラブルが生じる可能性が高い傾向にあるので、相手方に充分な配慮をしながら売却活動を進めましょう。
離婚の際に確認しておきたい4つのポイントとは
家の売却は時間を要するため、売却を検討する際にはさまざまな疑問や不安が生じるかもしれません。ここでは、売却を考えている方にとって重要なポイントをいくつか紹介します。
住宅ローンの契約
まず注目すべきは、住宅ローンの契約内容です。とくに、連帯保証人がいる場合に注意しましょう。住宅ローンは基本的に連帯保証人なしで組むことも可能ですが、収入を合算してローンを組んでいる場合には、連帯保証人となっている可能性があります。過去に住宅ローンを組んだ際に連帯保証人になっていることを忘れていることもあるため、売却を検討する際には、金銭消費貸借契約書などを確認しましょう。
家の価値と住宅ローン残債
売却時には査定を受け、現在の家の価値と残っている住宅ローンの金額を把握しておきましょう。とくに注目すべきは、「オーバーローン」と「アンダーローン」という状態です。なぜなら、これらの状態によって売却手段が異なるからです。
オーバーローンの場合は任意売却となり、住宅ローン滞納者として扱われる可能性があります。その結果、一定期間内はクレジットカードの取得や新たな住宅ローンの組み入れができなくなるため、オーバーローンの場合は慎重に売却を考える必要があるでしょう。したがって、家の価値を正確に把握することが重要です。
財産分与の計算方法
財産分与の計算方法についても確認しておきましょう。たとえば、売却額が2,000万円で住宅ローンの残高が1,000万円の場合、財産分与額は売却額から残高を差し引いた1,000万円となります。この1,000万円を50%ずつ分けることで、各々が受け取る財産分与の金額が決まるのです。
財産分与の請求期限
最後に、財産分与の請求期限に注意が必要です。財産分与を請求できる期限は離婚から2年間と定められています。家の売却は査定から引き渡しまで約半年かかるといわれているため、離婚後は早めに売却を進めることを心がけるとよいでしょう。
アンダーローンとオーバーローンで売却方法を変えるべき?
最後に、アンダーローンとオーバーローンの場合の売却方法について説明します。
まず、アンダーローンの場合は通常の売却方法がおすすめです。通常の売却では、まず不動産の査定を受け、契約を結んで販売を開始します。販売開始から売買契約までには約3か月ほどの時間がかかるといわれているのです。
売買契約では、買主から手付金(売買代金の10%)を受け取り、仲介手数料の50%を不動産会社に支払います。その後、引き渡しを行い、買主から残りの金額を受け取り、残った仲介手数料の50%を不動産会社に支払い、取引は完了です。
オーバーローンの場合
オーバーローンの場合は任意売却が必要です。任意売却を選択する場合は、専門の不動産会社に依頼する必要があります。これは債権者との交渉が必要になるためです。債権者が同意しなければ売却はできません。任意売却を行うとブラックリストに載るデメリットがあります。
ブラックリストに載ると新たな融資を受けられなくなる可能性があるため、完済する余裕がある場合は、できるだけアンダーローンの売却方法を優先しましょう。上記のデメリットから、まずはアンダーローンでの売却が可能かを検討することが重要です。
まとめ
今回は、離婚に伴う家の売却のタイミングや確認すべき事項について詳しく解説しました。日本の離婚率は他の国と比べて低く、最近は減少傾向にあります。しかし、熟年離婚など様々な事情で離婚を選ぶ家庭も増えています。離婚は望ましいことではありませんが、もしも家を売却する必要が生じた場合には、今回の記事を参考にしてください。