不動産売却のときに知っておきたい「減価償却」とは?計算方法も解説

公開日:2023/04/15


不動産売却は滅多にあることではないものの、事前に仕入れておくと後々役立つ知識が数多く存在します。減価償却もそのうちのひとつであり、知らずに手続きを進めてしまうと後で大きな損失につながる恐れがあるでしょう。この記事では不動産売却では必須となる減価償却について解説してきますの。興味があればぜひ最後までご覧ください。

「減価償却」とは?意味を分かりやすく解説

「減価償却」とは会計用語のひとつであり、使用期間に応じて経費を分割する仕組みを指します。たとえば、レストラン経営者が新店舗出店のため建物を1,000万円で購入すると、会計上は1,000万分の資産を作ったことになります。しかし、購入費である1,000万円をそのまま経費として計上すると利益と経費のバランスが大きく崩れてしまうため、経営が成り立ちません。

仮に1年で1,000万円の利益が出たと仮定しても、年間利益は「1,000万円の利益-1000万円の経費=0円」となり、これでは利益の算出もできないうえ、国にとっても利益と経費のバランスが不釣り合いだと適切な税金が徴収できず、不都合となってしまいます。そこで経費は使用期間に応じて分けることで、利益と税金のバランスを適切に保つようにするのが減価償却というわけです。

上記の例でいえば、建物を10年使用した場合、経費は1,000万円÷10万円=100万円となり、年間100万円が減価償却費となります。このように減価償却とは建物も含め、使用する設備や資産など、事業に必要なあらゆる費用を使用期間に応じて分割して支払う経費のことであり、不動産に限らず事業を行う全ての分野で活用されているものです。

ただし、建物は長期間使用することが前提であるものの、具体的に何年間使用するかは不透明な要素でしょう。そこで、建物には耐用年数という「事前に予想される使用期間」が定められた規約が設けられており、減価償却を計算する際には、耐用年数を当てはめながら計算するのです。なお、豆知識として減価償却は建物のみが対象であり、土地は適用外とされています。

減価償却が不動産売却に必要な理由

減価償却は会計処理に活用されていることから、事業を行う上では必要不可欠な要素です。とはいえ、減価償却は事業のほか、マイホームを売ったり、空き家を売ったりするなど、不動産売却にも活用されています。これはなぜかというと、不動産売却には利益に対して譲渡所得税という税金がかけられているためであり、建物の持ち主には売却時に譲渡所得税を納税するよう義務付けられているのです。

さらに、建物は年を経るたびに劣化していくため、譲渡所得税も建物の劣化分差し引かれて計算されます。この差し引かれた額が減価償却であり、減価償却が少ないほど譲渡所得税も安くなり、結果的に節税対策につながるのです。だからこそ減価償却を知っておくと、後々の税金負担を減らすために大いに役立ちます。

減価償却の計算方法

減価償却の計算には「定額法」と「定率法」の2つの方法があります。定額法は毎年同じ金額を減価償却費として費用計上するのに対し、定率法は初年度にかかる減価償却費が最も大きく、その後の費用は少しずつ下がっていくのが違いです。

ちなみになぜ計算方法が2つあるのかというと、計算方法によってかけられる税金が異なるためです。たとえば税務会計では利益に対して税金がかけられる仕組み上、利益が大きくなるとその分、課税額も増えてしまい、場合によっては損をする恐れもあります。

しかし、経費を大きく計上しておけば税金も安くなり、結果的に節税対策へとつながるのです。一方で定額法は計算が楽なうえ、毎年同じ金額が経費化されていく仕組み上、資金管理もしやすいといった特徴があります。

つまり2つの計算方法はどちらが有利・不利といった問題ではなく、目的に応じて活用することが重要です。

ここで簡単な例を挙げてみましょう。たとえば2,000万円で購入した木造建築を10年後、3,000万円で売却したとして、減価償却費を定額法で計算すると「建物の購入費用×0.9-償却率×経過年数」という計算式で求められます。

なお、償却率とは耐用年数に応じた割合のことであり、木造なら0.031、鉄筋コンクリートなら0.015といった具合に構造ごとに決まりが定められているのです。上記条件で計算してみると「3,000万円×0.9-0.031×10=558万円」となり、従って558万円が減価償却費となるわけです。ちなみに経過年数が年の途中だった場合、6か月以上は切り上げ、6か月未満なら切り下げて計算します。

減価償却を計算するときのポイント

減価償却の計算では償却率を事前に確認しておくことが重要です。償却率は前述したように建物の構造ごとに異なるうえ、数値も定期的に見直されています。具体的な数値については国税局のホームページにて掲載されているので、気になる方は参照してみるものよいでしょう。また、上記計算もあくまで単純計算であり、実際には不動産会社に支払う仲介手数料、不動産の登記費用、不動産取得税など、さまざまな費用が発生します。

そのため、具体的な金額を求める場合には専門の不動産業者に相談してみるのがおすすめです。なお、豆知識として自宅を売却する場合には譲渡所得から3,000万円控除が受けられたり、所有年数が10年以上あれば税率が軽減されたりといった、さまざまな特約もあります。

まとめ

減価償却とは、まとまった費用を分けて支払う仕組みのことで、活用場面も会計処理といった専門分野に限られます。そのため、一般人には複雑に感じてしまいますが、不動産売却では譲渡所得税を計算するうえで必要不可欠な要素であり、何より不動産売却による利益が発生すれば確定申告に行かなくてはなりません。ここで減価償却が分からなければ確定申告もできずトラブルを招く恐れがあるので、不動産売却を検討する方は押えておきましょう。

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