住宅ローンが残っているけど売却したい!具体的な方法を解説!
ローンが残っている住宅を売却するのは難しいと考える人は多いでしょう。しかし、ローンが残っている住宅でも残債を処理すれば売却することは可能です。大切なのはローンがオーバーローンかアンダーローンか確認すること。今回は、自宅の住宅ローンの状況確認やオーバーローン時のローン返済方法などについてまとめました。
住宅ローンが残っている物件を売却できない理由
住宅ローンが残っている物件を売却できないのは、銀行などの金融機関が抵当権を設定しているからです。抵当権とは、お金を借りる際、貸す側の金融機関が住宅の土地と建物に設定する権利のことで、いわゆる担保と同じ意味と考えられます。
もし借主が借金を返済できない状態に陥ったら、金融機関は抵当権を行使して建物や土地を差し押さえるのです。抵当権が付いたままの物件は売却できないため、売却したい場合は債務を支払い、抵当権を解除してもらう必要があります。
抵当権を解除する方法
抵当権を解除するには住宅ローンを完済しなければなりませんが、完済する方法は2つあります。ひとつ目は自己資金で売却前にローンを完済してしまう方法。2つ目は物件売却時に得た資金を返済にあて、売買決済と同時にローンを完済する方法です。自己資金で一気に返済できる人はよいのですが、そうでなければ2つ目の方法を使って抵当権を解除しましょう。
まずはローンの残債と家の売却価格をチェック
どの方法を使うにしても、現状把握が必要です。よって、最初にするべきことは残債がどのくらいあるか確認することです。残債の確認方法は以下の3つです。
・借り入れた金融機関のインターネットサービスで確認する
・「返済予定表」で確認する
・借入金融機関から送られる「年末残高証明書」で確認する
これらの方法を使うことで、どのくらいの債務が残っているか知ることができます。次に調べるのは住宅の売却価格です。これを知るには不動産会社の査定を受けねばなりません。不動産会社の査定の種類には、匿名で概算を知る「AI査定」や書類のみで大体の金額を割り出す「簡易査定」、正確な売却予定額を産出するための「訪問査定」などがあります。
インターネット上には無料で複数の不動産会社に机上査定を依頼できる一括査定サイトもあるので、こちらを使って不動産会社間の査定の違いを簡単に比較できます。また、訪問査定の場合はひとつの不動産会社だけではなく、複数の不動産業者に査定を依頼するのがポイントです。査定はあくまでも予想価格なので、観点が違えば評価額も異なって当たり前です。
また、売却時には売却価格から不動産会社の仲介手数料や印紙税、抵当権抹消登録費用、銀行に支払う早期返済手数料、住宅売却時に利益が出た時に支払う譲渡所得税などが差し引かれるので注意しましょう。
「オーバーローン」か「アンダーローン」のどちらであるか確認する
住宅ローンの状態を指す言葉に「オーバーローン」と「アンダーローン」があります。オーバーローンは不動産の価値よりもローン残高の方が高い状態のことであり、アンダーローンは不動産の価値がローン残高を上回るものです。売却価格がわかっていれば、オーバーローンかアンダーローンか把握できるでしょう。
「オーバーローン」におけるローン返済方法
確認した結果、オーバーローンだったときはどうすればよいのでしょうか。有力な方法のひとつに「売り先行」があります。売り先行のメリットは現在の自宅に住みながら売却を進められることや資金計画を立てやすいことです。新たな買い手が決まるまで、今の住宅のローンを支払っておけば売却時に得られる金額を増やせます。この方法を選択すると、万が一、家が売れなかったとしても、それが理由でローン残高が増えたり負担が増加したりすることはありません。また、慌てて現金化する必要もないため、複数の購入希望者から有利な相手を選んで交渉することも可能です。
しかし、売り先行にもデメリットがあります。それは、買主の内覧希望に応じなければならないことです。プライベートな空間に第3者が入ることに抵抗がある人にはあまりおすすめできません。別の方法としては「住み替えローン」の利用があります。住み替えローンとは、返済しきれていない債務を次に購入する住宅ローンに上乗せする方法です。
ただ、この方法は金融機関にとってリスクがあります。新しい住宅が持っている担保価値以上のお金を貸し付けることになるため、ローンの返済ができなくなったときに物件の差し押さえだけでは資金回収できない恐れがあるからです。金融機関側にリスクがある方法であるため、住み替えローンの審査は一般的な住宅ローンよりも厳しくなります。
まとめ
今回はローン残高が残っている住宅の売却方法についてまとめました。返済中の物件を売却するには残債額を確認のうえ、オーバーローンかアンダーローンか把握しなければなりません。自宅を売却しても債務が残るオーバーローンだった場合、売却をあきらめるか、済ながら売却を進める売り先行の返済をするか、金融機関の住み替えローンを利用するか選択しなければならないでしょう。しかし、住み替えローンは条件が厳しいため、大半の人は売り先行で住宅売却を進めています。