不動産売却でよくあるトラブルとその回避方法について解説!
不動産の売買は高額な契約となるため、契約上の問題が大きなトラブルに発展してしまいます。どのようなトラブルが起こるのか気になる人も多いことでしょう。今回は不動産売却でよくあるトラブルとその回避方法について解説します。トラブルが生じた場合の相談先についても触れますので、不動産の売却を検討している人は参考にしてください。
不動産売却でよくあるトラブル
まずは不動産売却でよくあるトラブルについて、売却前から売却後までの時点ごとにみていきましょう。
売却前に起こりがちなトラブル
不動産の売却前に起こりがちなトラブルとして、隣人との境界トラブルが挙げられます。マンションでは建築時に境界が確定されているため問題になることはありませんが、土地や戸建住宅の場合にトラブルに発展する可能性があります。土地や戸建住宅を売却する場合、土地の境界を確定しておかなければなりませんが、隣人との境界が不明確であることで隣人と揉めてしまう可能性があります。
売却契約中に起こりがちなトラブル
不動産の売却の手続きや契約中に起こりがちなトラブルとして多いのは、不動産会社に支払う仲介手数料です。不動産会社に支払う仲介手数料は法律で上限が定められていますが、必ずしも上限額を支払う必要はありません。あらかじめ仲介手数料に関する取り決めをしないまま不動産売却が成立してしまうことでトラブルに発展してしまいます。また仲介手数料を決済するタイミングも双方の認識にズレがあると、トラブルになってしまうことがあります。
売却後に起こりがちなトラブル
不動産売却後に起こりがちなトラブルとして多いのが、契約不適合責任によるトラブルです。売り手側の故意や過失の有無にかかわらず、不動産売買契約時に把握できなかった瑕疵について責任を負う必要があります。契約不適合責任の期間は法律で定められていますが、経年劣化による不具合も発生するため、期間を特約で短く設定することが一般的です。万が一売却時にしていた欠陥を買い手に伝えていなければ、重大なトラブルにつながってしまいます。
不動産売却時のトラブルを回避するためには?
不動産売却でよくあるトラブルについて紹介しましたが、未然に防ぐ方法はあるのでしょうか。トラブルを回避するための方法についていくつか紹介します。
契約不適合責任について理解しておく
法改正により瑕疵担保責任から契約不適合責任に変更となりました。従来の瑕疵担保責任の方が聞き馴染みのある人も多いかもしれませんが、瑕疵担保の概念自体は変わりません。しかしながら、法改正後の契約不適合責任では、瑕疵に関するトラブルは契約書の内容に適合しているかどうかを判断基準としています。
契約書に記載されてない瑕疵が見つかった場合、売主に損害賠償責任が発生してしまう可能性があります。売却前に不動産会社の担当者や弁護士に相談するなどして、契約不適合責任について理解しておくことでトラブル回避につながります。
事実を正確に不動産会社に伝える
不動産売買の契約時には過去に事故がある物件など、買い手に不利益となる可能性がある重要事項についてしなければなりません。重要事項を伝えない不告知はトラブルの原因となるため、売却相談時に不動産会社へ包み隠さず正確に情報を伝えるようにしましょう。
信頼できる不動産会社を見極める
不動産売却時のトラブルを回避するために、トラブル時に親身に対応してくれる不動産会社を選ぶことも重要です。よい不動産会社を見極めるうえで査定金額も大事な要素ですが、信頼できる担当者であるかどうかも重視しましょう。よい不動産会社であればトラブルが生じた場合も適切に対処してくれます。
不動産売却に関するトラブルの相談先
もし不動産売却においてトラブルが生じてしまった場合は、一人で対処しようとせずに仲介に入った不動産会社に相談してみましょう。不動産会社であればトラブル対応に精通しているため、契約内容を確認したうえで適切な対処が望めます。
万が一、不動産会社がトラブルに対応してくれない場合は、全国宅地見物取引業協会に相談してみましょう。協会側から不動産会社へトラブル対応を働きかけてくれます。不動産会社や宅建協会以外にも消費生活センターや弁護士などといった相談先があるため、トラブルに備えて相談先を押さえておきましょう。
まとめ
今回は不動産売却でよくあるトラブルと回避方法について解説しました。不動産売却では売却前から売却後までに、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。売却前では隣人との境界トラブルが多く、売却契約中には不動産会社との仲介手数料のトラブルが起こりがちです。また、売却後に買主との間で契約不適合責任に関するトラブルも多く発生します。このようなトラブルを回避するためには、契約不適合責任についてよく理解し、不動産会社に包み隠さずに正確な情報を伝えるようにしましょう。信頼できる不動産を選ぶこともトラブル回避のために重要となります。もしトラブルになった場合は不動産会社にすぐに相談しましょう。